[polca] 川縁清志の全てを話そう(3)レーベルについて
- 2017/9/25
- 川縁清志

polca公開インタビュー企画「〇〇の全てを話そう!」の内容をダイジェストでお伝えします。
さて、前回は現在のアーティスト活動について川縁さんにお話を聞きました。
社会貢献型音楽レーベルとは?
川縁さんのレーベルは「『社会貢献型音楽レーベル』という」「【まち・ひと・社会に必要とされる音楽事業】がコンセプト」で、「これまで音楽エンターテイメントには『娯楽、芸術』という価値でしたが、ここに『必要とされるモノ』という価値を付け加えるのが社会貢献型音楽レーベルのミッションです。」とのことです。
そして、「『社会貢献』と表現すると、ボランティアや無償というイメージや、『やりたい音楽では無いことをしなければいけない』と勘違いされるミュージシャンがいらっしゃるようですが、僕のレーベルでは【音楽家がやりたい音楽を存分にしながら、それを必要とされる価値にしていく挑戦】としています。」なのだそうです。社会貢献ということを前面に押し出しながらも、ミュージシャンにとっても自己表現としての音楽を提供できるレーベルを目指されているんですね。かなり難しそうな要件ですけど。
「音楽で食べる」ことが出来ている割合
このような目的意識によって運営される川縁さんのレーベルは「無償とはまったく正反対で、価値を提供したらそれに見合った対価をちゃんといただく(音楽で食べていく)考え方です。」と言います。
そうそう、川縁さんは「音楽で食べる」という表現をします。じゃあ、実際に「音楽で食べる」ことが出来ているミュージシャンの数について、川縁さんの感覚値を聞いたところ、「正確な割合は分かりませんが、インディーズだと体感として6割くらいの方が1円もプラスに出来ず動く度にマイナス、2割がプラマイゼロ、1.5割がアルバイトレベル、0.5割がなんとか食べれてる感じでしょうね。メジャーな方は省いてます。」だそうです。
評価経済とミュージシャン
川縁さんは「評価経済を味方につけられる方は、VALUやクラファン、polcaなどの仕組みはとても有効だと思います。」と言います。しかし、「自身で価値を高め、提供出来る状態を作り、届くように発信出来ていないとなかなか評価されないので、評価経済への向き合い方次第だと思います。」とも言います。
そして、もしミュージシャンが評価経済へと移行するのであれば「評価経済への向き合い方や、価値を高めたいと臨んでいる方には、アドバイスやきっかけを作ってくれる方がどんどん増えてるので、そういう方を見つけるのも必要ですね。」と、まずはアドバイスなどをしてくれる人と出会うことを第一の目標にすべきだと言います。
この発言の根幹には「評価経済は、ベーシックインカムのような『全ての人が救われる仕組み』ではないと考えているので。」という考えがあり、何もしなくても勝手にミュージシャンの地位が上がるわけではないという警鐘が含まれているようです。
つまり、「もちろんVALU、クラファンなどに向かないアーティストはたくさんいます。」ということで、それは「ぶっちゃけ『クオリティも低く、意識も低く、あわよくば思想な方』は全然無理だと思います」と言い切ります。ですから、「もちろん自身の本気の活動ありき」であり、結局のところ「(そのようなミュージシャンは)どんなシステムを使ったところで結果は出せない。」とのことです。「音楽で食べる」というハードルは、決して評価経済だから低くなるというわけではないようです。
次回は、もう少し具体的に「評価経済」に関するエピソードをお伺いします。